高卒で就職して一年で辞めました 第三十七話

正社員になりました。

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※登場人物の名前、設定、職種など

事実とは少し変えて描いております。

会社に退職の意向を伝えたところ社長より直々に

「グラフィックデザイナーとして正社員で働かないか」との声をかけてもらいました。

 

以前の職場では「無能のコネ入社」でしかなかった私が

初めて社会で認められた瞬間だったのです。

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記念すべき正社員1日目。

 

 

正社員になるにあたり勤務地を本社へと移すのかと思っていたのですが

人手不足であるこの事務所から離れるわけにはいかない…!

ということで、今まで通り事務作業も担うという形で

上司である「煙川さん」とは離れて勤務することになりました。

 

しかし何の経験もない私。

ひとりで仕事を覚えるのは非常に困難。

 

そんなわけで、仕事の仕方、ソフトの使い方など

本社から煙川さんが直々に来て教えていただけることになったのですけれど…

 

なんとその研修、たった1日だけらしい。

パソコンが得意なら恐らくソフトの使い方は実践すればすぐマスターするだろう。

あとは経験を積むしかない。

不安なこと、わからないことがあればその都度電話等で連絡をしてくればいい。

 

そして何よりも

「信用してないなら

正社員起用を勧めたりしない」

 

そう話す煙川さん。

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もう、嬉しくて嬉しくて…!

 

 

目つきが悪く冷たそうな印象を受けていたのですが

「使えない部下をわざわざ欲しいとは思わない。」

という言葉に、

今まで無能と呼ばれていた私はそれはそれは浮かれてしまいました。

当然、そんなにすぐに良いデザインのものが作り出せるはずもなく、

課題を出され提出した初期のものは本当にひどい出来だったのですが

(もう見たくもないよ!)

 

 

「なるほどね」「ここをもっとこうしたら良くなるよ」と

決して否定せずに受け取ってくれました。

 

 

はやく即戦力になりたい。

 

そう思い、毎日ソフトの使い方でわからないことがぶち当たるたび

自分で調べて自分で解決しようと努力しました。

 

 

勤務地が変わらなかったことで

他の女性スタッフが困っていたらすぐに解決してあげられる立ち位置で居続けることができました。

 

何かを解決するたびにもらえる「ありがとう」

変わらず原動力になっていました。

 

 

因みに「弾き語り」についてなのですが、

正社員起用されてからも通い続けていました。

 

しかし以前の午後から勤務だったパートの時とは違い、

朝はちゃんと起きなくてはならないし

 

そのためには夜も早めに寝なければならない。

そんなわけで、「そろそろ弾き語りに通うのも厳しいなぁ…」と感じていました。

見覚えのある三つの影。

 

弾き語りのやめ時を考えながら

下手くそなギターを鳴らし駅前で歌っていた私の前に

 

恐らく一番会いたくないであろう「あの三人」が現れたのです…

 

 

つづきます。

 

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