高卒で就職して一年で辞めました 第三十五話

辞めたくないけれど。

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※登場人物の名前、設定、職種など

事実とは少し変えて描いております。

高校を卒業して直ぐに入社した会社で社会人として心が折れ

2ヶ月の無職期間を経て、「パート勤務」として新たな職場で勤め始めた先で

 

感謝されること。

役に立てること。

自分の得意なこと。

 

そういった「仕事のやり甲斐」を知ることができました。

 

しかしそんな私も20歳の誕生日を迎え、

国民年金など支払わなければならないものも増えたことで

パートの給与だけでは将来に不安を覚えるようになったのです…

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以前とは違い、楽しそうに仕事に取り組んでいた私が

入社して一年足らずでまた「辞める」と言い出したので

恐らく母は驚いたと思います。

 

「やっぱり続かなかったのか」と一瞬落ち込んだかもしれません。

「収入をもっと安定させたいから、正社員の仕事を探したいんだ」と話すと…

「そういうことなら…」とすぐに納得。

 

正社員なら当然福利厚生もあるだろうし

いつまでも親のスネを齧るわけにはいかない。

 

パートを掛け持ちするという選択肢もあったのですが

遅かれ早かれ、いずれ仕事を探すことになるだろうことは両親もわかっていたと思います。

 

そんな訳でせっかく巡り会えた自分にあった職場から離れようと決心。

 

なんの経験もない無職の私を雇ってくれて

仕事をする上での自信をつけることができた今の職場には心から感謝していて

同じ部署の皆に迷惑をかけたくない。という思いは強かった為

 

仕事を見つけてから会社に報告するのではなく

できるだけ早く退職の意向を伝え、次の人材への引き継ぎもきちんとしよう。と心に誓ったのです。

以前、前職で退職の意向を伝えた際も

 

「とても残念だわ」

「長く続くと思ったのにねぇ」

 

なんてことを言われたことがありましたが(▶︎第25話参照

 

それは誰が聞いても明らかに本心ではなくただの嫌味で

心に刺さるとても冷たいものでした。

 

ですがこの時の社長の言葉からは

本当に残念がっている。という想いが伝わってきて

がっかりさせてしまったという罪悪感よりも

 

私は今、

足手まといでも、迷惑でも、嫌われてもいないんだ。

役に立っていたんだ。

 

と、なんだかとても嬉しい気持ちになりました。

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普段は私の所属する部署に顔を出すことなど滅多にない社長…

 

…と、例の「目つきの悪い煙川さん」が本社からやってきました。

 

 

普段はいちパートである私が社長から呼び出されることなどなく、

「何事だろう」と恐る恐るついていったのですが

そこで驚くべき「提案」をされることとなるのです。

「うちで正社員にならないか」

 

突然のことに驚きを隠せない私。

社長は続いて、煙川さんが共に来た理由を話し始めました。

 

 

つづきます…

 

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