高卒で就職して一年で辞めました 第三十四話

「ありがとう」が原動力だった。

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※登場人物の名前、設定、職種など

事実とは少し変えて描いております。

 

「ありがとう」の言葉が嬉しくて

どんな仕事でもできるだけ引き受けて

自分の能力を超えて応えようと頑張る毎日。

 

当時は「喜んでもらえる」ことが「仕事で給料を貰う」ことよりも働く目的になっていました。

 

 

そんなある日、ある急ぎの荷物を本社へ届けなければならない事態となり

同じくパートである女性スタッフの方が本社まで車を走らせることになったのですが

役に立ちたい私は、「自分が行きます」と手をあげたのです。

なんやこの目つきの悪い金髪坊主のにいちゃんは…

 

 

何度も笑顔で挨拶をしているのに

特に笑顔を返してくれることもなく

ただただガンをつけられる。

 

 

睨まれるだけでも恐ろしいのに

様相が金髪坊主ということもあり怖さ倍増でした。

 

 

実はこの日、同じ事務員である女性スタッフから

 

「本社に煙川さんって人がいるから、その人に荷物を渡してね。

多分若い子がきたら、あの子喜ぶわよー?」

 

なんてことを予め言われていました。

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どこがやねん。

 

 

めっちゃ睨まれとるがな。

嘘つきいい!!

 

 

この会社

あんな髪型やってええの?

実は目つきよりも何よりも最も気になっていたこと。

自由な社風なのかな…

 

あのにーちゃん、

めっちゃガラ悪いけど

絵めっちゃうまい。

 

 

ちょっとしたFAXのやりとりなどにも必ず挿絵が描かれている様子を見て

もともと絵を描くのが好きだった私はなんだか楽しい気持ちになり

返信の際は必ず挿絵をお返しする。というやり取りが日常化しました。

 

 

なんという緩さ。

以前の職場ではこんな緩さは一切なかったのに。

 

 

人から感謝され、自分が役に立っていると感じ

周りの環境も人間関係もとても円滑に楽しく過ごせている…

 

 

できればこの会社でずっとこのまま働いていたい。

そう思ってはいたのですが…

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週5日以内の5時間パートの給与じゃ

実家暮らしでも結構キツい…!

 

 

未だに続けていた弾き語り。

携帯代。車のローンの支払い。

そして20歳を超えたことで発生した年金の支払い…

 

 

このままではいられない。

そんな現実が襲ってきました。

本当はここにいたいけれど。

 

会社での責任感が生まれたことで、自分の立場や現状を理解する余裕が生まれました。

同時に、月数万の収入で生きていくことの難しさを痛感。

 

このままこの環境に甘えていてはいけない。

 

 

居心地の良いこの会社を退職し

新たに正社員の仕事を探す決意をしたのです。

 

つづきます…

 

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