仮住まいへの引越し編　第三話

段取り不足が襲いくる

→前回のお話はこちら

→はじめから読

ほぼ徹夜までしたものの荷造りが終わらぬまま

引っ越し作業がはじまりました…

広告

いつも冷静でほとんどミスなどしない夫。

ところがここ数日の睡眠不足や疲れにより

そういえば朝からかなり調子が悪そうにしていました。

そしてこの日、普段では考えられないミスをおかしたのです。

夫の軽貨物車の荷台に乗せていた貴重品。

それは今まで数十年かけて…

レアもの、限定ものも含め

働いて得た多くのお金を注ぎ込んできたゲーム。

生まれてから今までの多くの時間を費やしてきたゲーム。

DS、PSP、PS、NEOGEO、Switch、復刻版ミニハード、

そしてそれに対する全てのゲームソフト…

まさに血と涙の結晶、

我が家の財産と言っていいそれらすべて。

疲れがたまってフラフラだった夫は

うっかり荷台の扉を閉め忘れ、そのまま車を走らせてしまい

気が付いた時には荷台には何も残っておらず。

どうやら落としてきた。

と

電話の向こうで震えて、消えてしまいそうな声で

それでも必死に平常心を保とうとしながら状況を説明しました。

その言葉を聞いた瞬間、

わたしは体内の血液を一気に凍らせたのでした…。

つづく…。

→次のお話はこちら

→はじめから読む